砥石は、切る・削る・磨くという役割で、主に金属加工分野に使用されています。砥石と一言で言ってもたくさんの種類があり、用途に合わせて最適な砥粒、製法で作られています。
砥石は、鉄鋼、造船、建設、自動車、ベアリング、電気、機械等の基幹産業の広い分野に使用され、“ものづくり”を支えています。
砥石には、3つの大切な要素が有ります。これを「砥石3要素」といいます。
小さな砥粒一粒一粒が刃物となって、工作物を削ります。
刃物系の工具に対して最大の違いは、減りながら、新しい切刃を自生していくことで、途中で研いだり刃先を調整する必要がありません。これは、硝子の破片が、割れても次々と鋭利な刃物のような断面を持ち続けるのと同じ原理です。そして、切れなくなると脱落し、新しい砥粒が出てきて再び作業を続けることが出来るのです。
砥粒を結合し、保持する接着剤が必要です。接着剤にも種類がたくさんありますが、ここではポピュラーなフェノールレジンをご紹介いたします。
特徴として、フェノール樹脂は加熱によって軟化溶融し、硬化致します。一旦硬化しますと、そののち加熱しても軟化溶融は起こしません。従って、その硬化物(成形加工品)は優れた耐熱性、寸法安定性などを保持しております。また、適度な弾性を有しており機械的強度に優れていることがあげられます。
結合剤は、種類や配合する量によって性能をコントロールし、その調整があまりに強く固め過ぎると、砥粒が脱落しなくなるので、加減が大切です。
砥粒と砥粒の間には、隙間があります。(隙間=気孔もしくはチップポケットと言います)この気孔に削りカスが入り、砥石が回転している間に排出されます。カスがたまったままだと目が詰まり削れないので、目立ちませんが、実は重要な存在です。